アンディオールができない原因は「骨格だけではありません」。
多くの場合は、股関節の構造ではなく筋肉の使い方(特に深層外旋筋)が原因です。
ただし一部の方は骨格的な制限があるため、無理に開こうとするとケガにつながります。
そのため重要なのは、「骨格か筋肉かを正しく見分けること」です。
この記事では、フランスのバレエ教育で学ばれている解剖学・運動生理学をもとに、アンディオールができない原因と改善方法をわかりやすく解説します。
アンディオールができない骨格かどうかの見分け方
まずは「骨格的に難しいのか」をチェックしましょう。
- 仰向けで脱力したとき、自然に足はどれくらい外に開くか
- 股関節に詰まりや痛みがないか
- 膝や足首がねじれていないか
自然に90〜120度開く場合は、骨格ではなく筋肉の問題である可能性が高いです。
一方で、痛みや引っかかりがある場合は骨格的制限が考えられます。
アンディオール骨格タイプ診断表
以下の項目にチェックして、自分のタイプを確認してみましょう。
| チェック項目 | はい | いいえ |
|---|---|---|
| 仰向けで自然に足が120度以上開く | □ | □ |
| 股関節に詰まりや痛みがない | □ | □ |
| 膝や足首にねじれが出ない | □ | □ |
| 力を入れなくても外に回せる感覚がある | □ | □ |
診断結果
- 「はい」が3つ以上 → 開きやすい骨格タイプ
- 「はい」が2つ → 平均タイプ(改善余地あり)
- 「はい」が1つ以下 → 骨格制限タイプの可能性
※骨格制限タイプでも、筋肉の使い方で見た目は大きく改善できます。
やってはいけないNG動作チェック
アンディオールができない人の多くは、無意識にNG動作をしています。
| NG動作 | なぜダメか |
|---|---|
| 足先だけ外に向ける | 膝にねじれが生じ、ケガの原因になる |
| 外ももに力を入れて開く | 深層外旋筋が使えず、逆に固くなる |
| 股関節を無理に押し開く | 関節を痛めるリスクがある |
| 腰を反って開く | 正しい位置でアンディオールできない |
| 力みながらキープする | 筋肉が硬直し可動域が狭くなる |
改善のポイント
- 内もも(内転筋)から使う意識を持つ
- 力まずコントロールする
- 床でのトレーニング(フロアバレエ)を取り入れる
アンディオールができない3つの原因


① 深層外旋筋(外旋六筋)が使えていない
アンディオールは股関節を「開く」のではなく、股関節の奥にある深層外旋筋で回旋する動きです。
外ももや足先で無理に開くと、正しい筋肉は働きません。


② 骨盤の引き上げ不足
体幹が弱いと股関節の可動域が活かせず、アンディオールがしにくくなります。


③ 間違った意識・指導
「股関節から開く」という曖昧な指導では、正しい筋肉の使い方は身につきません。
バレエを習っているお教室の先生が、股関節を開いて!とだけ伝える昔ながらの教え方のお教室では、どのようにアンディオールをするための筋肉を踊りの中で使って訓練のしていくのか?がわかっていら者らない、ということも考えられます。どの先生にバレエを学ぶのか?ご自分の目的に合わせてバレエ教室、バレエの先生を選ぶ必要があるかもしれません。
骨格タイプ別|アンディオールの改善戦略
① 開きやすい骨格
下の図のように、可動域が広く、筋肉の使い方を覚えれば大きく改善します。


② 平均タイプ(90〜120度)
上記の図のような、正しいトレーニングを適度に続けて行うことで柔軟性のある筋肉を作り上げながら、見た目のアンディオールは十分改善可能です。
③ 骨格制限タイプ
無理に180度を目指さず、ラインを美しく見せる意識が重要です。


無理なアンディオールの危険性
- 股関節の変形や痛み
- 膝のねじれによるケガ
- 筋肉の過緊張による太ももの肥大
骨格は変えられないため、力で開くのは危険です。
アンディオールを改善する具体的方法
① 内側の筋肉(内転筋)を意識する
内ももからつま先までつながるラインを意識します。
結論からいうと、
👉 **「内ももで脚を“寄せながら長くする”感覚」**です。


よくある間違い(これだとNG)
- 足先だけ外に向ける
- 外ももに力を入れる
- 脚を“開こう”とする
これだと
👉 外側の筋肉ばかり使ってしまい、逆に開かなくなります
正しい意識(これができればOK)
イメージはとてもシンプルです👇
内ももを軽く引き寄せる
→ 太ももの内側同士を「そっと近づける」
そこから脚を下に長く伸ばす
→ つま先まで一本の線でつながる
その状態で“外に回す”
→ 無理に開かず、自然にターンアウトする
1本のラインで考えると分かりやすい
👉 意識するラインはこれです
- 内もも
- ひざの内側
- ふくらはぎ内側
- かかと
- 親指の付け根〜つま先
このラインが
👉 一直線につながる=正しいアンディオール
一番大事な感覚
よくある誤解👇
❌「外に開く」
正解👇
✅ 「内側で支えて、結果として外に回る」
すぐできる簡単チェック


立った状態で👇
- 内ももを軽く寄せる
- お腹を引き上げる
- そのまま足を外に回す
👉 脚が軽くなる感覚があればOKです
② フロアバレエ(バー・オ・ソル)を取り入れる
床で行うことで余計な力が抜け、正しい筋肉を感じやすくなります。
③ 力まずコントロールする
力むほどアンディオールは逆に開きにくくなります。
👉 力む=外側の大きい筋肉が優先的に働く状態です
アンディオールに必要なのは
👉 股関節の奥にある「深層外旋筋(インナーマッスル)」
しかし力むと👇
- 外もも(大腿筋膜張筋・大臀筋など)が先に働く
- 股関節がロックされる(固まる)
- 可動域が狭くなる
- 結果 → 開かない
つまり
👉 力むほど「本来使うべき筋肉が使えなくなる」
■ もう少しシンプルにいうと
- 力む → 固まる → 動かない
- 脱力 → コントロール → 動く
👉 アンディオールは「柔らかく回す動き」です
■ エビデンス(根拠)
① 解剖学的根拠
- 股関節の外旋は「深層外旋六筋」が担当
- 大きい筋肉(外もも)は補助 or 過剰に働くと制限になる
👉 インナーが働くためには「低負荷・低緊張」が必要
② 運動生理学(モーターコントロール)
- 人間は強く力むと「大きい筋肉優位」になる
- 繊細な動き(回旋・安定)は弱い力の方が精度が上がる
フロアバレエ(バー・オ・ソル)の効果
フランスでは「バー・オ・ソル」と呼ばれ、バレエ学校でも広く取り入れられています。
床で行うことで、重力の影響を減らし、深層筋を正しく使えるようになります。
よくある質問(Q&A)
Q. アンディオールは何歳からでも改善できますか?
はい、筋肉の使い方を変えることで改善可能です。
Q. 毎日練習するべきですか?
短時間でも継続が重要です。
Q. 骨格は変えられますか?
骨格自体は変えられませんが、使い方で見た目は大きく変わります。
Q. ストレッチだけで改善できますか?
ストレッチだけでは不十分で、レッスンやそれ以外の個人練習の時での筋肉の使い方が重要です。
まとめ
アンディオールができない原因は骨格だけではなく、多くは筋肉の使い方にあります。
正しい知識とトレーニングを行えば、無理なく改善することができます。
■ 本記事の参考文献
- Karen Clippinger, Dance Anatomy
- Valerie Grieg, Inside Ballet Technique
- Dance Medicine in Practice
- フランス式バー・オ・ソル(床バレエ)指導資料


