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大人のバレエでダイエットはできる?元バレリーナが伝えたい体重より大切なこと

「週に2〜3回バレエに通っているのに、なかなか痩せない」。大人のバレエの生徒さんから、とてもよく聞く悩みです。先生に「もう少し絞ったら?」と言われて、食事を減らそうか迷っている方もいるかもしれません。

私は24歳でフランスのバレエ学校に留学し、10代の生徒たちと毎日朝から夜までレッスンを受けていました。そこで体重のことで大きな失敗をし、無理なダイエットで体を壊してバレエ学校を去った仲間も見てきました。

この記事では、バレエだけで痩せにくい理由と、無理なダイエットの危険、そして私がフランスで学んだ「体重より大切なこと」をお伝えします。

結論:週2〜3回のバレエだけで、体重が大きく落ちることはほとんどありません。

でも、体のラインや姿勢は確実に変わります。そして、食事を極端に減らすのは逆効果です。大切なのは、体重の数字より「踊れる体」をつくることです。

目次

バレエだけで痩せにくい理由|レッスン量がプロとまったく違う

バレエは全身を使う運動ですが、大人の趣味のレッスンは、1回1時間半を週に2〜3回というのが一般的です。1週間で合計しても、数時間ほどの運動量です。

これに対して、私が留学していたトゥールーズのコンセルヴァトワールでは、平日の1日はこんなスケジュールでした。

時間内容
8:30〜10:00バレエのクラスレッスン(バーとセンター)
10:30〜12:00女子はポワントクラス、男子はテクニッククラス
12:00〜13:00昼食
13:30〜一般の学校の授業
17:00〜コンテンポラリー、パ・ド・ドゥ(上級生)、その他のダンス
※私が在籍していた当時のスケジュールです。終わるのは夜8時近くで、土曜日もオープンクラスを受ける生徒がほとんどでした。

プロを目指す生徒は、この生活を毎日続けています。週に数時間のレッスンとは、運動量がけた違いです。「バレエをしているのに痩せない」のは、あなたの努力が足りないからではなく、そもそも運動量が違うからなのです。

ただ、週2〜3回のレッスンでも、姿勢が良くなる、脚のラインが引き締まって見える、といった変化は確実に起こります。体重計の数字だけで、バレエの効果を判断しないでください。

私の失敗|フランス留学中に急に太ってしまったとき

フランスのバレエ学校に入ったとき、私はすでに24歳でした。周りは10代の生徒ばかり。手足の長さも顔の小ささも、まさにバレリーナになるために選ばれた人たちでした。

毎日いっしょにレッスンを受けていると、どうしても自分と比べてしまいます。言葉も思うように話せず、コンプレックスでいっぱいでした。その反動で、下宿先の校長先生の家に帰ると、いろいろなものを食べてしまっていたのです。フランスのチーズは濃厚で、ケーキにはお砂糖がたっぷり。1か月ほどで、自分でも驚くほど体重が増えてしまいました。

レオタードとピンクタイツで鏡に映る自分を見るのがつらくなっただけではありません。急に体重が増えたせいで関節が痛くなり、ポワントでのピルエットやバランスがとれなくなりました。体重の移動の感覚が、それまでとまったく変わってしまったのです。

暗い顔をしている私を見かねて、バレエ学校の栄養士さんが、2週間の食事メニューを作ってくれました。最初は「こんなに食べていいの?」と疑っていたほどです。

このメニューを続けるうちに、体は少しずつ元に戻っていきました。そこで身をもって学んだのは、日本で思い込んでいた「バレリーナは最低限しか食べない」は間違いだということです。大切なのは量を極端に減らすことではなく、何を、どう組み合わせて食べるかでした。

フランスのバレエ学校の栄養士が組んだ「2週間食事管理メニュー」

私が留学中に助けられた、フランスのコンセルヴァトワールの栄養士による2週間の食事メニューです。このメニューを公開できるのは、私だけです。

食事を極端に減らすのではなく、何をどう組み合わせて食べるかを、毎日のメニューで確認できます。夜の主食を控えるなど、食材や組み立てにはルールがあります。

※大人向けの内容です。成長期のお子さん、妊娠中・授乳中の方、持病のある方、摂食障害の経験がある方は対象外です。

無理なダイエットが招くこと|私が見てきた現実

バレエ、新体操、フィギュアスケートなど、見た目が評価に関わる世界では、摂食障害のリスクが高いと言われています。私の周りにも、すでに十分細いのに自己流のダイエットをやめられず、拒食症になってバレエ学校を退学になった仲間がいました。

食べる量が足りない状態が続くと、頭にも栄養が行き届かず、正しい判断ができなくなっていきます。痩せれば痩せるほど「もっと痩せなきゃ」と思い込んでしまう。本人は、自分が危ない状態にいることに最後まで気づけないことが多いのです。

食べる量が足りない状態が続くと、体に起こること

  • 生理が乱れる、止まる
  • 骨が弱くなり、疲労骨折を起こしやすくなる
  • 筋力が落ちて、ジャンプや回転の軸が保てなくなる
  • 疲れやすくなり、けがが治りにくくなる
  • 集中力が落ち、気持ちが不安定になる

これはプロだけの話ではなく、大人の趣味のバレエでも同じです。国際的なバレエコンクールであるローザンヌ国際バレエコンクールも、出場者の心と体の健康、そして食習慣まで医学的に確認する健康方針を設けています。痩せすぎは、踊りの世界でもはっきりと「健康のリスク」とされているのです。

体重より大切なこと|筋力・姿勢・休息

食事を減らして体重だけを落とすと、脂肪と一緒に筋肉も落ちてしまいます。筋力が落ちると、ピルエットで軸を保つための体の側面の力や、アラベスクで脚を支える背中の力が弱くなり、踊りそのものが崩れてしまいます。

見た目の美しさも同じです。体重は減ったのに、体にハリがなく、たるんで見えることもあります。バレリーナの引き締まったラインは、細いからではなく、必要な筋肉がしっかりあるからこそ生まれるものです。

そして、休むことも体づくりの一部です。フランスのバレエ学校でも、朝から夕方まで練習が続く日でも、1つのレッスンが終わるごとに必ず休憩がありました。何時間も休まずに練習するのは、上達にも体づくりにも逆効果です。長く練習するときは、1時間半に一度は休憩をとるようにしてください。

大人がバレエで体を整える3つの方法

① 食事は抜かず、たんぱく質をしっかりとる

食事を極端に減らしたり、1日の食事を抜いたりするのは逆効果です。レッスンのある日は特に、筋肉のもとになるたんぱく質(肉、魚、卵、大豆製品、乳製品)を毎食とることを意識してください。お菓子やジュースに偏っていないかを見直すだけでも、体は変わっていきます。

② フロアバレエで、力まずに使う筋肉を育てる

フランスでは、床に寝転がって行うバーレッスン「フロアバレエ(バー・オ・ソル)」を、ストレッチ代わりに取り入れているバレリーナもいました。立った状態よりも余計な力が抜けるので、太ももの前ではなく、お腹の奥や内ももを使う感覚がつかみやすくなります。

自宅で行うなら、滑りにくいマットが1枚あると安心です。マットの選び方は滑らないヨガマットおすすめ|バレエにも使える高グリップマット5選で詳しく紹介しています。

フロアバレエ用のマット

③ 睡眠と休息を優先する

筋肉が育ち、疲れが回復するのは、休んでいる時間です。レッスンの翌日に疲れが残っているときは、無理に自主練習を重ねず、ストレッチや軽い散歩程度にとどめましょう。

こんなサインがあれば、ひとりで抱えずに相談を

自分や身近な人に、次のようなサインがないか確認してみてください。

  • 食べることに罪悪感がある、食べたあとに強い後悔を感じる
  • 体重計の数字で、その日の気分が大きく変わる
  • 生理が乱れている、または止まっている
  • 疲れやすさや、けがが続いている
  • 周りから「痩せすぎ」と言われても、まだ足りないと感じる

当てはまるものがあれば、ひとりで抱え込まず、心療内科・精神科や婦人科、スポーツドクターに相談してください。お住まいの都道府県にある精神保健福祉センターでも、摂食障害についての相談を受け付けています。

大人のバレエとダイエットについてよくある質問

体重が重いと、バレエを習ってはいけない?

まったく問題ありません。「少し痩せてから始めたい」という方もいますが、バレエは今の体のままで始めて大丈夫です。姿勢や体の使い方は、始めてから少しずつ変わっていきます。

先生に「痩せなさい」と言われたら?

体重の数字を目標にするのではなく、「どこを、どう見せたいのか」を先生に聞いてみてください。多くの場合、先生が気にしているのは体重そのものではなく、引き上げや姿勢のことです。食事を急に減らすのではなく、体の使い方から見直してみましょう。

バレエで体重を落とすにはどうすればいい?

週2〜3回のレッスンだけで体重を大きく落とすのは、難しいのが現実です。食事を極端に減らすのではなく、栄養のバランスを整えながら、フロアバレエやストレッチ、散歩など、レッスン以外で体を動かす時間を少しずつ増やしていくのがおすすめです。急な変化を目指さず、体調を見ながら続けてください。

まとめ|体重の数字より「踊れる体」を

週2〜3回のバレエだけで、体重が大きく落ちることはほとんどありません。でも、姿勢や脚のラインは確実に変わります。

食事を極端に減らすと、筋力が落ちて踊りが崩れるだけでなく、体と心を深く傷つけることがあります。私がフランスで学んだのは、量を減らすことではなく、何をどう食べるかでした。

体重計の数字に一喜一憂するより、昨日より高く引き上げられたか、アラベスクが安定したか。そうした変化を楽しみながら、長く踊り続けられる体をつくっていきましょう。

体重や体型のこと、先生には聞きにくいときは

教室では聞きにくい体の悩みや、この先の練習で何を優先すればいいかを、Zoomで一緒に整理します。大人からバレエを始めた方のための個別相談です。

※食事や体重の指導は行いません。

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